仕事始めの前に、社長より年頭の挨拶です。
2020年の年頭にあたり
皆さん、新しい年を健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。ご存じのとおり、当社は1月1日をもって創業以来20年の節目を迎えました。
今年のお正月は私自身、いろんな思いが胸中に去来しました。今日まで何とかやって来られたのは、皆さんという大切な仲間に支えられ、また多くのお客様の支持を得ながら、ここまで来ることができたのだというある種の達成感を少しは持っていました。しかし暮れのわずかな時間でしたが、20年前に私が書き溜めた日誌の拾い読みしていたところ、そんな小さな達成感は萎んでしまいました。そこに綴られていたのは、当時の情けないほどの弱気なものばかりでした。(経営には「臆病な程の周到な準備と、大胆な積極性」が求められると言われており、今も常に臆病さは持っていますが、質はかなり違います)自分の体力のこと、資金のこと、これからの仕事のあて、家のローンもまだ半分も返していない、子供二人は小学生・・・すべてにおいて明日もわからない創業したばかりの小さな事務所の実態が記されていました。ただ、「臥薪嘗胆」、チャンスが来るのを精進を怠らず雌伏していた時期でもありました。
創業二年目に、今でもお世話になっているT社さんとのご縁で仕事ができ、自宅を出て事務所を借り、今の会社組織の基盤を築くきっかけになったのです。今回改めて感じたのは、当時の自分の情けないほどの境遇を決して忘れないでおこうと思ったことです。今の状況が最高地点とは思いませんが、どうやってここまで来たのか、20年をどう歩んできたのかをしっかり覚えておいていただくことは非常に大切なことだということを皆さんにお伝えしたいと思います。
皆さんに私のような経験をしてもらうことはできませんし、そんなことはあまり意味のあることではありません。伝えたいことは、「初心忘るべからず」です。私の『初心』はたまたま創業当時のその気持ちですが、皆さんにもそれぞれの人生経験の大きな節目や、当社へ入社した時などに、新たな思いをいだいたことがあるのかも知れません。また、親兄弟から受けた家族の愛が今の人生の起点という人もあるでしょう。いずれにせよ、人生の起点となった時点の思いが、連続する「今」につながる原点になっているものと思います。そう考えると、私の言う「初心」が、今の当社の原点であったということを少しは感じていただけるのかもしれないと思い、話題にしてみました。
創業20年はゴールではなく、一つの節目を迎えたということです。月並みですが新たなスタートラインに立った、と考えています。通過点と言えるのかもしれません。人生の時間には限りがあるものですが、望みや希望は人間の欲と同じように沸いて出て来ます。以前に社内でもお話ししたことがありますが、「AIを業務に生かすにはどうしたらよいか・・・そういう技術者を採用するのか?専門的な人を雇用する?AI専門のスタートアップ企業を買収?資金力は?」とか、「通勤しないで仕事が本当にできるようにならないか」とか、「10年経験したら最低でも年収1000万円ぐらいにできないか」とか。考えることは一杯です。底流にずっとあるのは、技術、ノウハウ(商品)の差別化を図る努力をせず、価格競争の海(Red ocean:血の海)へ引きずり込まれることだけはしない、工夫を凝らし他社と違う差別化を図り、自ら価格を決められる海(Blue ocean:青く静かな海)を目指す仕事としようと決めたことです。
今年は、これまでのスローガンに手を加え、新たなスローガンを整備しました。
スローガン 「土地開発の総合コンサルタント企業としての使命を探求する」
今年の目標を 「深慮遠謀」
としました。
これは私自身にも深く胸に刻むことですが、皆さんにも同じように自分の言葉として常に反芻し、日ごろの業務の中に生かしてほしいと願っています。また、スローガンから行動規範に至るまで使われていたこれまでの「土地利用」という用語は、ともすると単に形状的な土地の改変にとどまる感が否めないため、これを改め、権利関係の移動や、法令の整理を含む、「土地開発」に置き換えることにします。これによりこの言葉が持つより広い意味に合わせて業容の拡大をする思いを表現しています。
おわりになりますが、これまでの皆さんやそのご家族の多大なるご理解とご協力に感謝するとともに、引き続きご一同の幸せの増幅と社業の発展のためにさらなるご努力とご協力を賜りますようお願い申し上げ21年目の所感とします。
令和2年1月6日
いつものように社員一同の集合写真です。本年もよろしくお願いします。