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舳倉島と野鳥

2010.05.21 更新スタッフブログ

私の趣味のひとつに野鳥観察がある。愚妻も同じ趣味なので、休日は夫婦でバードウォッチングという生活がここ10年ほど続いている。日本国内で観察された野鳥はおよそ550種類といわれているが、我々がいままでに確認したのはそのうち370種ほどである。クマゲラ(北海道)、ヤンバルクイナ(沖縄)などの地域限定の鳥や、コマドリ、オオルリなどの夏鳥、ツグミ、ジョウビタキなどの冬鳥、また水辺の鳥ではシギ・チドリ類、ガン・カモ類など季節によって見られる渡り鳥など、様々であり一朝一夕に観察できるという訳でないところに奥が深いものがある。
石川県の能登半島沖約50kmに舳倉島(へぐらじま)という、標高13m、周囲5㎞、面積0.55k㎡の火成岩で形成された小さな島がある。歩いて島内を一周しても1時間ほどで回れる。島民は現在80人ほどで(季節によって変動する)魚類、サザエ、アワビ、海藻類などの漁業を中心に生活している。コンクリートで舗装された歩行者用通路が整備されているが、車はなく三輪自転車とリヤカーが交通手段になっている。宿泊施設は民宿が2軒あるが、店舗(最近自販機が港に1機設置された)は1軒もない。島の中心に高さ34mの灯台が立ち海上の安全を見つめている。小中学校の分校があるが通学する児童・生徒がいないので休校中のようである。
イタリアの人類学者フォスコ・マライーニが昭和30年代に島を訪れ、島の生活に触れ合い感動的な紀行文「海女の島-舳倉島」を発刊して世に知られたことで有名である。冒頭のグラビアページに、海女たちが作業している写真が多数掲載されている。中心となった女性は当時18歳だったそうで、上半身裸で腰には紐のようなふんどしを装着している。かつての日本人は、男女ともにコミュニティ内の人間にはお互いの裸を見られる事への羞恥心があまりなかったようで、このグラビアにもはち切れんばかりの笑顔が含まれた海女たちの日常が納められている。もちろん現在ではスウェットスーツに身をつつんだ60歳以上のベテラン海女さんたちが主役であるが・・・。
この島が全国のバードウォチャーに有名になったのは、1975年に橘映州氏が渡り鳥の中継地として発見してからである。以来彼は30年以上にわたって調査を行い、330種を越える野鳥を記録したということである。
島へは輪島港から総トン数102トン、旅客定員数119名の「ニューへぐら」という定期船が毎日1往復運航されている。所用時間片道1時間半であるが日本海の荒波で欠航することもしばしばある。
私がこの島を最初に訪れたのは2003年4月で、以来すっかりその魅力にとりつかれてしまい、毎年1~2回行くようになった。多いときは春と秋で年3回の年もあって、今回で15回目の渡航となった。今までにヤツガシラ、コウライウグイス、セグロサバクヒタキ、ヒメイソヒヨ、ヤマショウビン、オガワコマドリなど40種以上の珍しい鳥をこの島で初めて観察している。今回の鳥果(つりの釣果にならって)については私の拙いホームページに掲載したのでご覧いただきたい。
http://homepage3.nifty.com/jijibabakoubou/
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